モチーフ・イメージ・連想

とあるモチーフが特定の商品と結びつけられる所以とは。先日イラストレーターのちやき先生が手がけたロリエの「きれいスタイル」の広告がタイムラインに流れてきた際、あまりにも女の子のイラストが愛らしかったために思わず商品を検索してしまった。商品のパッケージはというと、ちやき先生のイラストのようなゆるい中にも可愛さがあるようなものではなく、寧ろ全く違う系統の商品群を連想させるようなデザインだった。

(出典:花王ロリエ公式ツイッターアカウント)

(出典:https://www.kao.co.jp/laurier/kirei/)


私が真っ先に思い浮かべたのは同じく花王さんにより販売されているリセッシュのプレジャーブーケシリーズだった。最近になってパッケージがリニューアルされたものの、数年前のパッケージのこの高彩度の生花のコラージュ、忘れるものか。

(出展:いずれもAmazon.co.jp)

リセッシュ以外にも、同じく花王さんが販売しているトイレマジックリンのAROMAシリーズも想起される。こちらもリセッシュプレジャーブーケと同じく、高彩度の薔薇の生花がコラージュされており、この商品を使用したら得られるであろうピカピカの便器を連想させる煌めきが花の上に散りばめられている。六角ボケなどさわやかさを狙った演出もされている点も注目に値する。

それで、だ。

きれいスタイルのベージュ(画像右下)は色合いもリセッシュプレジャーブーケと似通っているわ、名前も「プレシャスブーケ」だわ、色々と被っているのだ。きれいスタイルのピンクは色合いが完全にトイレマジックリンで、よくよく見ないとトイレの拭き掃除用のシートと見間違えてしまうレベルだ。一消費者の目線から言うと、タバコ臭いスーツや生乾きの洗濯物に仕方なくかけるリセッシュやトイレマジックリンを彷彿とさせる商品をわざわざ下着につけたくない。

花とキラキラというモチーフがこうも密接に洗剤類と結びつけられている今でこそ、これらのモチーフが安易に使えないものであるという事、そしてデザイナーの魅せ方の力量が試される題材である事を実感させられた次第である。

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グラフィックデザイン科の学生として日々考えている事など

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