龍角散と広告

先日山手線の液晶ディスプレーで龍角散のどすっきりタブレットのCMを久しぶりに拝見した。CM自体は放送が開始されてしばらく経っているものの、改めてじっくり見てみると色々と面白い事に気づくことができた。龍角散と広告というと「龍角散が本気で飴を作ったら」というコピーの新聞広告や、神田明神のお祭りをテーマにした龍角散ダイレクトの広告などが真っ先に思い浮かぶが、このCMのなかなか興味深いと感じた。

(出典:【公式】龍角散チャンネル https://www.youtube.com/watch?v=nPMdmgzINeY)


それはなぜかというと、全体的なビジュアルが、昭和期に龍角散が新聞広告で打ち出したイメージと大変似通っているからである。


(出典:朝日新聞縮刷版 1958年(昭和33年) 1月 21日)

笑顔の女性が龍角散の商品を服用するイメージや…

(出典:朝日新聞縮刷版 1985年(昭和60年) 3月 18日)

可愛らしいハーブの植物図鑑・本草風のイラストという過去に龍角散が用いたモチーフがこのCMにもあらわれているのだ。やはりユーザーの世代の幅が広い商品だからこそ、世代が少し上の消費者の脳内で既に出来上がっているイメージに寄せていっているのか。

これは完全な余談だが、私が確認できた最も早い龍角散の広告は1890年(明治23年)2月14日のものだった。(朝日新聞縮刷版より)

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グラフィックデザイン科の学生として日々考えている事など

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